= 第34回 えんじゅトークサロンのご案内 =
第33回 トークサロンが開催されました
長い夏休みが終わり、久しぶりに『第33回 えんじゅトークサロン』が開催された。今回は、元茨城県歴史博物館の飯塚信久さんによる「石岡の昔話とその舞台を訪ねて」をテーマとした講演だった。会場は、昔から地元に伝わる民話や伝承を聞こうという参加者で熱気に溢れていた。
飯塚信久さんは、地元への理解と愛着を持ち、誇りを育てようと、学校教育の中に昔話を積極的に取り入れてきた方です。現在でも、民話の発掘収集を続けているそうです。今回のトークサロンでは、その中から今年の干支に因んで「龍神山」にまつわる昔話を披露していただいた。
私も、石岡地区と八郷地区の境にある龍神山は、漠然と「特別な山」だと思っていましたが、今回、飯塚さんの話を聞いて納得しました。
龍神山には、龍神を祀っている「染谷佐志能神社」と「村上佐志能神社」というかなり古い神社があり、古くから人々に崇められてきました。その龍神山から流れて出た水が、麓に「柏原池」を作り、さらにそこから流れた水が「山王川」となって田畑を潤し、石岡の町を流れて周辺の人々の生活を支えた。昔、雨乞いの為に村人が村上佐志能神社の井戸水を竹筒に汲んで持ち帰ったという風習からも、いかにこの山が人々に深く崇拝されていたかがわかります。ここから幾つもの昔話が誕生したのでしょう。飯塚さんからは、月夜に柏原池に龍が美しい姫になって現れる「龍神姫の話」と三角山の「茨城童子の話」が紹介されました。参加者の多くがよく知っている場所だけに、懐かしげにまた楽しそうに聞き入っていました。また、改めて地元の魅力に気付かされたようで、今度、行ってみたいという声や登山ルートの質問もありました。
今回のトークサロンで、改めて古い歴史を持つ石岡地方には多くの民話があるのを知りました。是非、飯塚さんには、これからも民話の研究を進めていただき、石岡が非常に魅力ある地域であることを広く伝えて欲しいと思います。
飯塚信久さん、ありがとうございました。
2024年度 後期の『えんじゅトークサロン』の内容
秋の茶会のご案内
第33回 トークサロンのご案内です
9月から再開します
第32回トークサロンが開催されました
第32回 えんじゅトークサロン開催のお知らせ
第31回 トークサロンが開催されました
『第31回 えんじゅトークサロン』が昨日開かれた。今回は変則的に第3土曜日の開催であり、テーマがやや固く(笑)、難しそうであるのにもかかわらず、多くの方に参加いただいた。相変わらず、皆さんの「知的な好奇心」は旺盛であるのがよくわかった。
今回は、つくば国際大学の澤田和彦教授から脳のシワに焦点をあてて話していただいた。題目は「脳のシワから何を知ることができるか?」である。まず、人間の脳の大きさやシワの数を他の哺乳類動物と比較することから始まり、脳の大きさやシワの数はある程度は体の大きさに関係しているが、大脳皮質の発達は「社会性」と関係しているという。そして、人間では、脳のシワは生まれる前に出来上がるが、その形は生まれてからの環境や経験の影響を受けるという。ここで「エピジェネティクス」という言葉を教えていただいた。やはり、人間は生まれてからの生活、環境や経験、そして社会性がいかに大切かを改めて教えていただいた。ここれは本当に重要なことである。
つぎに、大脳皮質の領域ごとの機能についての説明である。人間だけ右利きが多く、大脳皮質の左側が発達しているのは言語の使用に関係があるのではないかという。また、大脳皮質の形の左右差が失われると自閉症や統合失調症、発達障害などの様々な精神疾患を生ずるという。その例としていわゆる「天才」と言われる人を例にあげて説明した。しかし、彼らは脳の一部の機能のみが極度に発達しただけだという。ここでは「精神疾患」とは何なのかを考えさせられた。
澤田先生の講話を聞いていて、改めて人間の脳の面白さや不思議さ、そして偉大さを知った。これは、僕だけではなく参加した全員が感じたようで、多くの質問や意見が出された。
今回は、阿部さんに設置していただいたスピーカシステムのおかげで、先生の話も実に聞き取りやすかった。阿部さんにも感謝したい。
個人的には、最近、物忘れがひどい! 先生に、「海馬を鍛える方法」を聞くのを忘れたのが気がかりである(笑)。