第15回「トークサロン」を開催して

 本日(5月28日)、第15回の『えんじゅトークサロン』が開催された。今回の講師は、井坂敦実先生である。テーマは「万葉集の筑波山」。今回も、たくさんの方に参加していただき、2時間半の間、奈良時代の筑波山の世界を堪能した。

 実に充実した時間だった。若い人から年配の方まで、すっかり井坂先生の話に引き込まれて、食い入るようにして聞いていた。話は、単に万葉集の歌の解説には止まらない。まず、当時の庶民の衣食住から信仰や風俗、筑波山の存在などについて具体的で詳細な説明があった。こうした古代の生活環境を背景として万葉集が謳われたとのことである。また、井坂先生は筑波山麓の北条で生まれ育った。地元の研究者だけが持ち得る鋭い視点でもって、万葉集の歌を再解釈している。それが、実に新鮮で刺激的なものだった。

 瞬く間に、講演時間が過ぎた。しかし、深く解説して頂いたのは一部の歌に過ぎない。会場からは、残りの歌についても是非お聞きしたいとの声をあった。

 きっと、参加者の皆さんは、これから筑波山を眺める度に、古代人が歌に籠めた心を思い出すに違いない。

 井坂敦実先生、有難うございました。

5月度「トークサロン」のご案内

 『えんじゅ』の周辺の新緑は色が濃くなり、ほとんどの田んぼは田植えが済みました。

 今月の『第15回 えんじゅトークサロン』をご案内します。今月は、井坂敦実先生から「万葉集の筑波山」と題してお話をいただきます。 井坂先生は、茨城大学等で教鞭を執られた後、元筑波町長、元つくば市教育長、つくば市文化財指導員などを務められてきた郷土史研究家です。つくば市の平沢官衙遺跡(国指定史跡)、日向廃寺跡などの保存にも尽力されました。

 井坂敦実先生は、筑波山麓のつくば市北条で生まれ育ちました。長い間、筑波山信仰圏の歴史を研究されて来られ、特に万葉集や筑波山信仰についての研究には、先生独自の視点が発揮されています。その成果というべき著書『万葉集の筑波山』が昨年秋に「結エディット」から出版されました。この本を読むと、万葉時代の人々の暮らしや感情、感覚、信仰などが、同じ筑波山の麓に暮らす私たちの心に直接響きます。

 今回の「トークサロン」では、井坂先生からこの「筑波山を謡った万葉集の歌」について縦横に語っていただきます。 毎日のように眺めている筑波山への見方や感じ方が一変することでしょう。多くの方の参加をお待ちしています。

◉ 参加を希望される方は、早目に下記のところまで連絡してください。

  日時: 2022年5月28日(第4土曜日) 14時~16時
  参加費: 1500円/人 (珈琲、お菓子付き)
  申込・問合せ先: bookcafe.enju@gmail.com または このホームページの連絡先ページから
           Tel. 080-9295-4893(野村)、090-4425-4679(木崎)