『第31回 えんじゅトークサロン』が昨日開かれた。今回は変則的に第3土曜日の開催であり、テーマがやや固く(笑)、難しそうであるのにもかかわらず、多くの方に参加いただいた。相変わらず、皆さんの「知的な好奇心」は旺盛であるのがよくわかった。
今回は、つくば国際大学の澤田和彦教授から脳のシワに焦点をあてて話していただいた。題目は「脳のシワから何を知ることができるか?」である。まず、人間の脳の大きさやシワの数を他の哺乳類動物と比較することから始まり、脳の大きさやシワの数はある程度は体の大きさに関係しているが、大脳皮質の発達は「社会性」と関係しているという。そして、人間では、脳のシワは生まれる前に出来上がるが、その形は生まれてからの環境や経験の影響を受けるという。ここで「エピジェネティクス」という言葉を教えていただいた。やはり、人間は生まれてからの生活、環境や経験、そして社会性がいかに大切かを改めて教えていただいた。ここれは本当に重要なことである。
つぎに、大脳皮質の領域ごとの機能についての説明である。人間だけ右利きが多く、大脳皮質の左側が発達しているのは言語の使用に関係があるのではないかという。また、大脳皮質の形の左右差が失われると自閉症や統合失調症、発達障害などの様々な精神疾患を生ずるという。その例としていわゆる「天才」と言われる人を例にあげて説明した。しかし、彼らは脳の一部の機能のみが極度に発達しただけだという。ここでは「精神疾患」とは何なのかを考えさせられた。
澤田先生の講話を聞いていて、改めて人間の脳の面白さや不思議さ、そして偉大さを知った。これは、僕だけではなく参加した全員が感じたようで、多くの質問や意見が出された。
今回は、阿部さんに設置していただいたスピーカシステムのおかげで、先生の話も実に聞き取りやすかった。阿部さんにも感謝したい。
個人的には、最近、物忘れがひどい! 先生に、「海馬を鍛える方法」を聞くのを忘れたのが気がかりである(笑)。