本日(5月28日)、第15回の『えんじゅトークサロン』が開催された。今回の講師は、井坂敦実先生である。テーマは「万葉集の筑波山」。今回も、たくさんの方に参加していただき、2時間半の間、奈良時代の筑波山の世界を堪能した。
実に充実した時間だった。若い人から年配の方まで、すっかり井坂先生の話に引き込まれて、食い入るようにして聞いていた。話は、単に万葉集の歌の解説には止まらない。まず、当時の庶民の衣食住から信仰や風俗、筑波山の存在などについて具体的で詳細な説明があった。こうした古代の生活環境を背景として万葉集が謳われたとのことである。また、井坂先生は筑波山麓の北条で生まれ育った。地元の研究者だけが持ち得る鋭い視点でもって、万葉集の歌を再解釈している。それが、実に新鮮で刺激的なものだった。
瞬く間に、講演時間が過ぎた。しかし、深く解説して頂いたのは一部の歌に過ぎない。会場からは、残りの歌についても是非お聞きしたいとの声をあった。
きっと、参加者の皆さんは、これから筑波山を眺める度に、古代人が歌に籠めた心を思い出すに違いない。
井坂敦実先生、有難うございました。